終の棲家@住友林業

60歳前に何とかローンを組んで家を建てなくては!と決心!とりあえず完成までの記録を残したい!

空き家予備軍から学ぶこと

空き家予備軍とは、65歳以上の高齢者のみが住む住宅のことで、戸建て住宅の総戸数に占める割合は全国平均28.8%、つまり4軒に1軒を超える割合!あと10年~20年後にはそれらが中古市場に出回る、と言われています。
一戸建ては維持費も手間もそれなりにかかるため、メンテナンスを全くしていないお家は10年経つととんでもないことになっていることがあります。歳をとってメンテナンスが十分にできない、という方が増えており、つまり、売れない不動産がたくさんでてくる、という可能性が高いということです。
さらに2008年から人口減少社会となり、2023年ごろからは世帯数減を迎えると予想されています。
少子高齢化で不動産の買い手が減っているのに、中古物件が増えたら、市場の需要と供給のバランスが崩れるのは間違いありません。
これらの問題は不動産業者にとって恐怖です。(でもまぁ私はその頃には引退しているでしょうから関係ない?)
少なくとも10年前は、来店者の割合が、「買いたい人>売りたい人」でした。ところが、ここ数年は「買いたい人<売りたい人」に変化しつつあるのです。相続案件も増えています。
そういった、不動産業界の現状を踏まえて私からのアドバイスです。
今、家を建てよう、という方は、将来、もし売却するときに、数ある中古物件の中から選んでもらえるよう、何かしら対策を講じたほうが良いと思います。
例えば、駅やスーパー近くの立地という建築する場所の対策、間取りが容易に変更できる在来工法で建てる対策、大手ハウスメーカー施工の保証付き物件という対策、対策内容は人それぞれだと思いますが、とにかく、将来、建てた家を残されたものが処分できるようにメンテナンスはしておかないといけません。それができないなら、家を建てずに駅近のマンションにするべきです。
大型分譲地、昔は子供がたくさんいて活気もあったけれど、今は(所有者が歳をとって草刈もできず)雑草だらけの区画が並んで寂しい雰囲気になっているところがあります。それは大型分譲地に限らず、古いリゾート地などでも見受けられます。
国土交通省では、集約型都市構造への再編を提唱しています。コンパクトで効率的な集約型都市構造を持つ都市の整備…逆を言えば、都市から離れたところは…。
少子高齢化、人口減によりインフラ環境の維持が難しくなるなど様々な問題が出始めている中、将来を見据えて、今、家を建てるとしたらどういうものを建てるべきなのか?どういう場所に建てるべきなのか?それらをよく考えて建てないといけません。
ちなみに(今、不動産の現場で感じるのは)賃貸派の人が増えていると思います。
家を持つということは災害のリスクも抱えるわけです。昭和の頃は、持ち家派が圧倒的に多かったと思います。時代は流れ、考え方も変わりました。
賃貸なら、被災してもその家の修繕は貸主が行います。不動産を持つということは災害リスクも常に併せ持つ、ということです。
家族数の変化や仕事環境の変化が生じたとき、または極端な話ですが近隣に変な人がいたとき、賃貸なら引っ越しすればよいわけです。
昔は、持ち家派が多かったと思いますが、賃貸で十分、という賃貸派の方は増えております。
働き方の多様化、考え方の多様化、多様化は住まい方にも影響しているのだと、長く不動産業に携わって感じます。
空き家予備軍が現状で国内に3割近く…近い将来、中古住宅が市場にあふれたとき、自分の建てた家が、その中で家族や近隣、ひいては国の重荷にならないよう、常に住む人がいることを祈りたいです。