終の棲家@住友林業

60歳前に何とかローンを組んで家を建てなくては!と決心!とりあえず完成までの記録を残したい!

土地の契約

やっと土地が見つかり、地主さんとの契約条件(金額、支払方法、境界、測量をどうするか、等々)について調整を行い、土地の契約を4月に行いました。
本職ですから、土地の交渉・契約自体は、まったく問題ありません。
自分で土地の調査を行い、境界もわかる範囲で確認し、不明な部分があるため、測量はさすがに自分ではできないので、測量士さんにお願いして…と滞りなく段取りを進めます。
水道・ガス・下水道の管網図、土地の道路台帳、公図、測量図の有無、登記簿謄本の確認、都市計画法・建築基準法における建築要件や制限の確認…今回は、個人間売買という形式をとり、業者が入る形をとっていないため、重要事項説明書は作成しませんでしたが、購入前に(その土地が問題ないとわかっていても)調査はしておかないと、調査の段階で、とんでもないことが発覚することがある、という事案もありますので、抜かりなく調べました。
何の問題もなく契約したつもりでしたが、まさかの事件…!
契約後、引渡しまでに境界確定を行う条件で契約を行いました。
官民の立ち合いがあると境界確定に時間を要します。時間はかかりましたが、そこは問題なく、民民の境界確定も近隣の皆さんにご協力いただき、境界確定は、問題なく終了しました。
問題は…面積です。登記簿は60坪でした。ただ当初敷地は雑草に覆われ、高低差もあり、南側の市有地と敷地の間に公図上、赤道があること、そして南側は大きな栗と欅のほか、複数の雑木があり、境界も不明瞭で、どこまでが敷地内なのかもはっきりしておりませんでした。地主さんもよくわからない、とのこと。
もし境界が確定して測量して(もともと細長く地型が悪い土地なので)登記簿より広い分にはいいけど狭かったら嫌だなぁ…と思いつつも、狭くても広くても不動産は縁物だから、それが縁!と割り切って、契約はあくまで登記簿上面積で契約、ということでお互い合意しました。
うちで手配した測量士さんよりも一足早く、へーベルさんの測量が入り、確定ではありませんが、100坪はあるのでは?とのこと。そのあと、住友林業さんの測量も入って同じように100坪以上あるのでは?と。Σ(゚Д゚;エーッ!面積が倍近く??そ、それはつまり、外構費用も倍になるということ?(この時点では、まさか建物の予算も倍近くになるとは思ってもおりませんでした…)でも2社の測量士さんが同じことを言うのだから、間違いなく100坪くらいあるんだろうなぁ…。
そしてそのあと、境界確定などをお願いした測量士さんが正式な測量に入り、間違いなく110坪あるとのこと。つまり、地積更生の登記費用もかかる…なんかどんどん予算オーバーの気配が…。

土地探しはプロでも大変

家を新たに建てよう!と夫婦で考えたとき。。。
1)今の自宅を建て替える
2)別の土地を購入して新たに建てる
3)所有している別の土地に建てる
と選択肢がいくつかありました。
まず、3についてはあっさりナシ。
別の土地というのは、相続でもらった調整区域の排水もないところと実家の狭い土地。これなら新しく土地を買ったほうが、となりました。
1については、悩みました。今以上に立地の良い土地があるのかどうかで…。
今の自宅は、築28年、古いと言えば古い、でも仕事で夫婦そろって家にいる時間が少ないせいか、築年数の割に傷んでいないのです。傾きもなく、構造躯体も問題なし、クロスなどは経年劣化が目立ちますが、きちんとした大工さんに建ててもらったので、まだまだ十分使える状態。解体するには勿体ない。駅徒歩8分、上下水道・都市ガス、南東角地、で立地も良し。自分で言うのもなんですが、売ろうと思えば売れる物件。
そうすると、2の土地を購入して家を建てる、となるわけですが、この土地探しが大変なんです。


そもそも駅から歩ける土地、というのはそれほど多くありません。(中古でも同様ですが)
駅から遠いところはたくさん売りに出ておりますが、駅から歩けるところは、便が良いので売りに出ること自体が少ないところへ来て、駅から近い土地だと分譲業者さんが手を回して買い取って建築条件付きで売りに出すことが多いので、建築条件のない駅から歩ける土地なんて殆どありません。
さらに田舎は、インフラ(水道、都市ガス、下水道)が整っていないところがたくさんあります。区画整理された分譲地ならインフラも地型も整っていますが、田舎の土地は細長かったり旗竿上の形状だったりと地型が悪い土地も多いのです。
何かしら妥協しなければ、土地は買えませんよ、とお客様にいう言葉がそのまんま自分に返ってくるわけです(*´Д`*)オーマイガー!
レインズというシステムがあり、基本的に不動産業者がお客様から預かった物件を登録(中には登録していない業者もいます)し、免許を持った不動産業者が見ることができるシステムがありますが、それを駆使してもエリアや条件によってはまったくヒットしません。
上下水道・都市ガス、駅から歩ける土地、且つ建築条件なし、そんな土地は、売りに出てません。
突然ですが…
信長「鳴かぬなら殺してしまへホトトギス」
秀吉「鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス」
家康「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」
(物件が)出ないなら、でるまで待とうホトトギス…家康様、私たち50代後半夫婦には時間がないんです!出ないなら出してみせようホトトギス!秀吉様、お願いします!
そんな心境で、近所の(土地をたくさん持っている)地主さんに声をかけました。
地主さん土地はたくさん持っていてもライフラインや地型がいいか悪いかは別問題。
条件のいい土地を売ってくれるかどうかも別問題。
売ってもらえませんか?とお願いしている以上、値段が安いか高いかも別問題。
あとは私たちがどこで妥協するかにかかっています。


とまぁ、そんなこんなで、地主さんに売っていただく土地が決まりました。
地型が悪いのは仕方ないし、高低差があって雑木も多く、整地して擁壁を造らないといけないからきちんと家を建てられるようにするまでには多額の費用がかかるのも仕方ない。その分、高台なので見晴らしも良く、東道路、南側は公有地で現況は大きく変わらないし、南側が低いので陽当りもよい。それに何といっても、今の自宅から近く、駅から徒歩10分以内で上下水道・都市ガス。敷地南側の市の土地との間に今は使われていない狭い赤道(あかみち、あかどうなどと読みます)があるため、ひいき目に見てほぼ南東角地。


土地が決まり、この時点では建築はやっぱりヘーベルハウスかな、となっていたんですけど、家を建てるなんてたぶん(いや、絶対に)これが最後だから(あとで他も見ておけばよかった、となるといけないので)ほかの鉄骨メーカーも見てみようか(この時点で住友林業という選択肢は全くなかった)と思っていたのでした。

空き家予備軍から学ぶこと

空き家予備軍とは、65歳以上の高齢者のみが住む住宅のことで、戸建て住宅の総戸数に占める割合は全国平均28.8%、つまり4軒に1軒を超える割合!あと10年~20年後にはそれらが中古市場に出回る、と言われています。
一戸建ては維持費も手間もそれなりにかかるため、メンテナンスを全くしていないお家は10年経つととんでもないことになっていることがあります。歳をとってメンテナンスが十分にできない、という方が増えており、つまり、売れない不動産がたくさんでてくる、という可能性が高いということです。
さらに2008年から人口減少社会となり、2023年ごろからは世帯数減を迎えると予想されています。
少子高齢化で不動産の買い手が減っているのに、中古物件が増えたら、市場の需要と供給のバランスが崩れるのは間違いありません。
これらの問題は不動産業者にとって恐怖です。(でもまぁ私はその頃には引退しているでしょうから関係ない?)
少なくとも10年前は、来店者の割合が、「買いたい人>売りたい人」でした。ところが、ここ数年は「買いたい人<売りたい人」に変化しつつあるのです。相続案件も増えています。
そういった、不動産業界の現状を踏まえて私からのアドバイスです。
今、家を建てよう、という方は、将来、もし売却するときに、数ある中古物件の中から選んでもらえるよう、何かしら対策を講じたほうが良いと思います。
例えば、駅やスーパー近くの立地という建築する場所の対策、間取りが容易に変更できる在来工法で建てる対策、大手ハウスメーカー施工の保証付き物件という対策、対策内容は人それぞれだと思いますが、とにかく、将来、建てた家を残されたものが処分できるようにメンテナンスはしておかないといけません。それができないなら、家を建てずに駅近のマンションにするべきです。
大型分譲地、昔は子供がたくさんいて活気もあったけれど、今は(所有者が歳をとって草刈もできず)雑草だらけの区画が並んで寂しい雰囲気になっているところがあります。それは大型分譲地に限らず、古いリゾート地などでも見受けられます。
国土交通省では、集約型都市構造への再編を提唱しています。コンパクトで効率的な集約型都市構造を持つ都市の整備…逆を言えば、都市から離れたところは…。
少子高齢化、人口減によりインフラ環境の維持が難しくなるなど様々な問題が出始めている中、将来を見据えて、今、家を建てるとしたらどういうものを建てるべきなのか?どういう場所に建てるべきなのか?それらをよく考えて建てないといけません。
ちなみに(今、不動産の現場で感じるのは)賃貸派の人が増えていると思います。
家を持つということは災害のリスクも抱えるわけです。昭和の頃は、持ち家派が圧倒的に多かったと思います。時代は流れ、考え方も変わりました。
賃貸なら、被災してもその家の修繕は貸主が行います。不動産を持つということは災害リスクも常に併せ持つ、ということです。
家族数の変化や仕事環境の変化が生じたとき、または極端な話ですが近隣に変な人がいたとき、賃貸なら引っ越しすればよいわけです。
昔は、持ち家派が多かったと思いますが、賃貸で十分、という賃貸派の方は増えております。
働き方の多様化、考え方の多様化、多様化は住まい方にも影響しているのだと、長く不動産業に携わって感じます。
空き家予備軍が現状で国内に3割近く…近い将来、中古住宅が市場にあふれたとき、自分の建てた家が、その中で家族や近隣、ひいては国の重荷にならないよう、常に住む人がいることを祈りたいです。